プラスティック・ハニカム

プラスティック板だと味気ないし、ガラスだと耐久性が気になるし厚くすると高いし、という時に使いたいのがコレ、「プラスティック・ハニカム」(plastic honeycomb)。名前の通り「蜂の巣」のような構造のおかげで耐久力もプラ板そのものより大きいし、構造自体を装飾として使うこともできそう。ただ「たわみ」は出るらしい。

建築家・構造家である難波和彦氏のサイトで対談があり、その中でもこの素材について語られている。

2枚のプラスチックの板の間にポリスチレンやポリカーボネートをはさんで、それをオイルで200度以上に温めると、モチのように粘ってくる。そして見ていてもわからないぐらいのスピードでゆっくり離していく。そうするとプラスチック板にポリスチレンやポリカーボネードがくっついたまま伸びて、2枚の板の間にハニカムの形状ができていく。

と、対談相手の堀尾さん。それに対して難波さん曰く、

それが完全に正四面体(オクテット)トラスになる。フラーが最も強力なトラスといった形になるわけです。正四面体トラスを線材でつくるのは大変ですが、プラスチックハニカムでは製法から半ば自動的にそれが生成される。これは凄い発明だと思います。

「フラー」というのはもちろん「バッキー」こと「バックミンスター・フラー」。製造効率がよく、構造的にも強い、装飾にも使える、という結構すごい素材であることは分かる。フラーがいたら喜び(嫉み?)そうだ。ただ問題はどう使うかであって、今のところガラスのオルタナティヴの枠を出ないかも。ただ構造材として垂直に使用して天井スラブを支えられるだけの強度があればもっと面白くなりそう。調べたい人にとって、販売元の「タイムワールド」のサイトが落ちているのがネック。酸素カプセル販売会社に同名の会社がヒットするのだけど、同じところなのか・・・?