長野

長野にいました。
○茅野

茅野市神長官主守矢資料館

高過庵

茅野市文化センター
※閉館中でした。

藤森照信氏の故郷でもある茅野市に立ち寄って、気になるあの建築を見てきました。上の二つがそれです。茅野駅でバスターミナルのスタッフさんに道を聞き、ざっくばらんな地図とともになんとか見つけられました。駅から徒歩30分。バスだったら「高部」というバス停から徒歩5分程度です。見事なまでに誰もおらず、資料館の係の方にいろいろと説明を頂き、近所の高過庵への行き方も教えていただいた。

資料館の見所はなんといっても素材の使い方で、屋根材だけでも地元の平石(下の屋根)、宮城の天然スレート(上の屋根)、フランス産の天然スレート(軒)と三種類あります。ほかにも開口部に使われたステンドグラス(透明です)、サッシュや階段の手摺等に使われた鋳鉄(職人さんがたたいて作ったもの)、藁が練りこんである壁面、のこぎりで切らずに割った木材など、非常に手の込んだ仕事がなされている。畑の中にぽつんと建つ高過庵も屋根材なんかはおそらく一枚一枚手で波を打たせたトタン(?)が使用してあって、規格にあった材料に慣れた目には非常に斬新だった。

藤森氏の建物はどこかノスタルジーを感じさせるが、おそらくその言い方は正しくなくて、実際「古いだけ」の材料や工法は使用されていないように思う。「なぜかすでにつかわれなくなってしまった」ものたちをスタイリッシュにちりばめていく彼の手法に、すこしだけ嫉妬しながら茅野駅へ帰る。古谷誠章氏の茅野市文化センターはなんと閉館中だった。極めて悔やまれる。また来る口実ができました。

○松本

まつもと文化芸術センター

松本市美術館

蔵の町

古い工場
※ショッピングモールの裏手にあった工場。単純に気になっただけなので詳しい情報はまったくわかりませんが、外壁の色合いとテクスチャーがいい塩梅に時の経過を知らせております。

松本駅からアガタの森まで続く大通り、ここへ松本城付近からの通りが垂直に交わるあたりにパルコが位置する、と考えるといいでしょうか(ちょっと単純すぎるか)。こうした主要なラインに蔵の町等古い建物が残るエリアが影響を与えて、都市に厚みをもたらしています。ただ、まつもと市民芸術センターの存在がいまひとつなじんでいないように思われました。市美が物理的に多方面からのアクセスを許すのに対して、この建物は通りに面したところからしか入れない、という単純な理由からも説明ができるのではないでしょうか。草間氏のインパクトあるオブジェがまず目を引きますが、中庭があるということで高校生からご老人まで多様な人々の交わりを可能にしているように思いました(実際多かったのですが遠足にしては少ないし・・・ちょっとなぞでした)。

金沢という市がひとつの求心的なコアを持つのに対し、ピンポイントで各要素が緩やかにつながるような印象を松本という市に持ちました。まあ数時間そこらしかいなかったので、あくまでも「いまのところ」の話ですが。