群馬

で、次は群馬です。
○高崎

隈研吾によるらしい立体駐車場
※駅前の高島屋界隈にあります。ルーバーの使い方が隈氏らしいですが、中から見るとらせん状になったスロープが綺麗です。

哲学堂

洗心亭
※二間しかない小さな家です。

洗心亭前のタウト碑

高崎市音楽ホール

音楽ホール内部

哲学堂、音楽ホールなどを手がけたアントニン・レーモンド、洗心亭に1933年から約2年過ごし日本論をものしたブルーノ・タウト、高崎は彼ら外国人建築家たちとの関わりが深い都市です。高崎駅付近には商業施設やファミリーレストランが広がり、その中に市立美術館や哲学堂などが点在します。大通りを歩いて十分ほどで市役所、音楽ホール、シティ・ギャラリーのあるエリアへと至るのですが、そこから先はほとんど住宅街。それを超えると洗心亭のある少林山方面へと通じていきます。そういう意味では都市のコアが駅の周辺に密集しているところであるといえるかもしれませんが、都市の輪郭がどうも曖昧な印象を受けました。

話は変わりますが、タウトにまつわる語り方として、「桂離宮を褒めて日本の建築を世界に広めた」とあったり、地域の住民と仲良く過ごしましたとあったり、どうも彼に対してすごくさわやかなイメージが与えられているように感じるのはなぜだろうか。来日当時、彼はドイツでは比較的急進的な思想を持っていたはずだし、「カツラ」に関しては「日本インターナショナル」の政治性、タウト自身の政治性などが入り乱れて結構どろどろしていたのではないかと思っております。



○多々良



群馬県立館林美術館

その別館

驚くほど小さな多々良駅から徒歩15分。田んぼに囲まれた川沿いの土地に突然現れるのが館林美術館です。開館中には入れませんでしたが、1〜2ヘクタールほどもある広大な公園の一角に位置しているため、外観は自由に見ることができました。美術館としての使いやすさはわかりませんでしたが、外から見ると静謐な彫刻のようで魅力的でした。それでいて円柱・三日月・直方体という幾何学的なマッスが相互に絡み合っており、なおかつ各要素に付与された豊かなテクスチャーが相互に影響を与えているため、移動する毎に建築が表情を変えていく様を見ることができて興味深いです。

気になったのは奥のほうにあった別館。大きさの違う石を組積し、屋根はスレートで葺かれて作られているのですが、これはいつのもので用途は何なのでしょうか。古典的な手法ではありますが、どことなく新しさを感じます。ただこれを今作ろうと思うと結構な労力がかかるように思うのですが・・・それにしてもこの趣のまったく異なる二つの建物の並置はきわめて面白いものでありました。