KEN-Viレポ追記

前回挙げたKEN-Viレポは大半が内藤さんの講演にまつわるものだった
かなりゴリッとした講演で聞き応えがあったというのがその理由。一方の西沢さんは自作プレゼンでほぼスライドショーだった、と前回コメントしたのだけど、そのなかで気になった一言についてちょっとだけ追記。

空間は四隅で立体感が出る(西沢立衛)

というのがそれ。単純に言ってしまえば部屋の広さは壁と、その端部にに接する壁と、天井とによって生まれる隅っこによって感じられるということだと思う。西沢さんが今手がけられている美術館のプロジェクトを説明される際に出た一言だった。
僕がこの言葉に引っかかったというかああそうかと膝を打ったのは、以前山本理顕氏が設計した『横須賀美術館』での体験があったから。あの美術館は地下一階の展示空間が天井までの吹き抜けになっていて、隅角部になめらかなアールがかかっている。壁面天井面ともに抜けるような白が選ばれているので、地下一階から見上げると本当にどこが壁と天井との境目かが分からなくなるのだ。これは個人的にかなりのインパクトだった。
でも「境目が曖昧になる」という説明はちょっと足りてない。まるで途方もなくでかい白のキャンバスが中空に広げられているような、そういう凄みさえ感じていた。これをどう説明したものかよくわからなかった分、余計と西沢さんの言葉がスッと入ってきたのだと思う。要するに立体感がうまくつかめなかったのだ。当初感じていた「キャンバス」というイメージはあながち間違ってなかったのかもしれない。ああ、なんだ超シンプルではないか。
というお話。西沢さんの発言から思い出したことの話でした。レポじゃないな。