どこかしらへ向けたゆるめの助走―その5
読んだ本とそこからのメモ。
都市におけるデザインの問題に対し、誰がどうやって取り組んでいるのかを整理してくれている一冊。友人が貸してくれた本です。
- 作者: 鳴海邦碩,都市環境デザイン会議関西ブロック
- 出版社/メーカー: 学芸出版社
- 発売日: 2001/11
- メディア: 単行本
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それぞれの職業の概説を読みながらひとつ思うことは、本書では「かたち」の論理よりも「いかになしとげるか」の論理の方に重点が置かれているということ。多数の人間、それも専門的思考に慣れていない人々も多く関わる都市において何かを生み出す際に、例えばあるアプローチではこのように進めていきますという手続きの説明に多くが費やされている。どれも粘り腰で根気がいることが強調されている一方、36通りのバリエーションを見るためにはやはりそれぞれのプロセスを見るのが一番分かりやすい。ある意味職業案内の色をもつ本書なので理解はできるけど、そのアプローチにおけるプロセスと、そこから生まれてくる「かたち」(成果というか)とのつながりをもう少し見たかったようにも思う。
ここで引用。本書128ページに「民間コンサルタントのパターン」がリスト化されているので少し抽出してみたい。
ちなみにこのどれもが都市環境に直接関わるわけではない。比較的ソフトよりの分析にとどまるものもあれば、かたちを生み出す側へと積極的にコミットしていくものもある。日本にこの種の職業ができて30年40年経ったいま、つぎつぎと細分化する現状を見ていくための、ひとつの指標として上のリストを考えてみたい。