サウンドスケープ

この前は香りだったので次は音菊地成孔氏がプロデュースされているミッドタウン館内BGMのこと。

世界の調律―サウンドスケープとはなにか (テオリア叢書)

世界の調律―サウンドスケープとはなにか (テオリア叢書)

ちなみにマリー・シェーファーの概念とはあまり関係ありません。

一日を朝昼晩に分けてそれぞれ15曲程度選曲されてます。上のリンクでは今月のセットリスト紹介とその解説をご参照あれ。月ごとにセットリストが変わりますが、上のリンクにあるページからバックナンバーもチェックできます。ついでにこれまたミッドタウン内にあるTOKYO FM Midtown Studioから放送されているピーターバラガン氏のプログラムに菊地氏が出演された音源が、Podcastでダウンロードできますよ。

バラガン氏、美声である。菊地氏曰く「僕はデパートフリークなのですがいいと思えるBGMがない」「ちょっと興奮するような曲が入っててもいい」「ショッピングのみに重きを置いた選曲」「これはBGMとはちょっとちがうかもしれない」などなど。アメリカでは「ミューザック」なるBGM制作会社によって労働効率&人間工学に基づいた音楽が産業化されている、しかも既に1930年代に、と別のところで菊地氏が発言していたのだが、バラガン氏との対話ではこうしたウェルメイドな無難さに対する氏の違和感が読める。
高層ビルの部分のみに目が行きがちな大規模開発のなかでも近年まれに見る規模(元防衛庁跡地だし。あれ、「元」と「跡地」は冗長?)をもつミッドタウンではあるけれど、そして高層ビルの内部がほとんどジャスコみたいというのはなんとなくわかるのだけど、それでもあれだけの公開空地を作り出したことや佐々木葉二氏を起用した大規模な造園計画(ランドスケープアーティストで初の報酬1億超だそうです)、実は安藤氏による21-21 Design Siteもその対象のひとつとなっているアートマネジメント(あの建物は芸術品枠に入るらしいです)から雨水処理まで、もちろん手落ちはあろうもののよくよく見ていくとなかなかにソツがないミッドタウンならではの、音にまでこだわっているという一例でもあったりする。