リバーシブル

建築にとって「裏返す」とはどういうことか

締切は10月27日。「リバーシブル」というテーマがすごい。たとえば家と道路との関係を反転させるリノベーションのあり方なんかは一例だろう。ただこれはいろんなところで出されているアイデアなのでややデジャブ。屋根を反転させるのもなんだかありそうだ。衣服には縫い目があるから反転させることができる(例外あり)と考えるなら、空間の「縫い目」っていうのはどこにあるんだろうか。概念的なレベル、物理的なレベルで問えそうな面白いコンペになりそう。


追記:リンクが登録制で見えなかったらしいのでちょっと補足。
審査員、小嶋一浩氏の前口上

洋服を裏返して着るのを「リバーシブル・ウェア」という。では、建築で「裏返す」ことは、どのように可能だろうか? 建築は、このところの環境問題や地震への対応でますますハイスペック・重武装になってきて、ともすると「重苦しい存在」だと感じることが増えている。日本の伝統的な空間は、夏と冬で建具を入れ替えたり、ついたてのようなしつらえで空間にテンポラリーな閾(しきい)を設けたり、ちゃぶ台を片づけて布団を敷くことで機能を重ね合わせたりと、空間に求められる自然や行為との応答に対して極めてフレキシブルであった伝統を持つ。
 このコンペでは、伝統的な空間を参照してほしいというわけではない。学校やオフィスや都市といった日常的に接している空間を「リバーシブル」にすることで、本来建築の空間が持っているのであろう「自由さ」を取り戻すような提案を期待している。

(小嶋 一浩)

ちなみにA2用紙(420mm×594mm)1枚にまとめてくださいとのこと。応募シートは上のリンクからダウンロードできます。