ひろいもの

これまでの太陽光発電可視光線だけを用いていたのに対し、コレに加えて紫外線も吸収できるとのこと。従来のソーラーパネルに比べて500倍の太陽光を吸収でき、9倍の電力を生み出せる太陽光発電モデルも発明者のユアンくんは生み出したらしい。ただ多く吸収できるからといって多くの電力を生み出せるわけじゃない、という太陽光発電の難しい性格もちょっと仄めかされているんじゃなかろうか。効率性だけじゃなくハードの耐熱性・耐候性なんかが気になるところ。

産業技術総合研究所「窓ガラスに貼れる日射熱反射フレキシブルシート」のこと。前にちょっと触れたNEDOが委託した「エネルギー使用合理化技術戦略的開発/選択的熱線反射による断熱・採光ガラスの研究開発 (平成18〜19年度)」での成果を発展させたものらしい。これもまた気になっていた丸泰「エコシートフィルム」と類似しているように思うのだけど、この違いってなんだろう。効率を除けば照度も変わらず、防虫性や耐久性向上なんかも望める後者の方が魅力的に見えたりするのは単純か。ちなみに「冬寒くない?」という意見もあろうかと思うが、空調利用によるエネルギー放出は冷房の方が大きいので総体的に見ると「貼るメリット」はあるだろう。シート自体に断熱性があれば内側から窓を通して熱を逃がさないから、やりようによっては冬でも快適なのではと推測。

ハイドロゲルという素材の中に微細な毛細管のネットワークを作り、これが樹木の水を運ぶ組織(木部)と同じような働きをするらしい。

かっこいい。気になるのは「で、どうなるの?」ということだろう。

ソフトコンタクトレンズの材料としても使われるハイドロゲルには、それ自体にナノスケールの穴が開いており、そこから水が蒸発して、必要な浸透圧差を生じる。今回、合成樹木が水の輸送に成功したことで、蒸散のメカニズムを、建物の暖房やコンピューターの冷却システムに応用する可能性が開けた。

といっても直接吸い上げた水をかけるわけじゃなく気化熱を利用した冷却法をさしているはず。どれくらいの高さまで吸い上げられるかにもよるだろうけど、メカメカしい(ただハイテックなんだけど案外原始的な)システムで水遣りされている壁面や屋上の植栽に利用できるようになると面白いかも。グルッと一回りしたみたいな。