情報にデザインを


南後先生とレクチャー前にお話したこと。


Life Style

Life Style


レム・コールハースと共に「S,M,L,XL」をつくったグラフィック・デザイナーBruce Mauの仕事を一言でいうと「生ではなかなかとっつきづらいデータのヴィジュアライズをデザインする」ということになるだろうか。ただそもそも何人の人が読みこなしているのかさえよくわからない「○○白書」に掲載されるような諸情報の可読度を上げ、それらの選別から配置までをも担っていると考える(推測する)と、彼の仕事は一般的な「デザイナー」ともちょっとちがう。いわば情報の編集者のようなものだと言えるだろう。これでその「○○白書」がたくさんの人に読まれるようになれば、言い方はヘンだけど「情報のバリアフリー」化さえ可能になるはずだ。


こういう存在が日本ではあまり見えてこないね、というのがそのときの話。


S M L XL: Second Edition

S M L XL: Second Edition


時代はまさに新しい環境へと突入しているはずなのにそれが漠然とした感覚をもってしか認識できないのならば、それをどう切り取ってどう可視化するのかを表現することには重要な価値があると思う。実際彼のHP上に掲載された宣言文の終わりには「it is not about the world of design, but the design of the world. 」とある。大げさかもしれないけど、データのヴィジュアライズはまさにわれわれのヴィジョンをデザインすることへとつながっていく可能性をもっているのではないだろうか。もちろんそこに大きな危険性があることもまた確かではあるけれど。