とうきょう

東京にきております。今日のトピック。

  1. gggギャラリー:ヘルベチカ展
  2. PUNCTUM:倉田精二
  3. 東京のマックはコンセントがつかえない
  4. montoak復活

1、
ヘルベチカとはスイスのハース鋳造所でエドワード・ホフマン、マックス・ミーディンガーによってデザインされたらしい書体のこと。ローマ字なので日本語は組めませんが、そんな日本においてさえあまりに見慣れすぎて「なんの変哲もない」ように見えてしまうくらい世界中に流通している書体のこと。ポスターやグッズの展示に加え、クライアントとのやりとりや、デザインした人々のあいだで交換された書簡なども展示されてます。その中でほのめかされるミリ単位の微妙な調整にまつわるニュアンスの伝え方なんかがとりわけ面白い。「もう少しがっしりと」「1センチの高さに拡大コピーすると微妙に歪む」などなど、ただただ「ほえー」という感じ。

Helvetica forever ヘルベチカ・フォーエバー -タイプフェイスをこえて-

Helvetica forever ヘルベチカ・フォーエバー -タイプフェイスをこえて-

  • 作者: ヴィクトール・マルシー,小泉均,ラース・ミューラー,森屋利夫
  • 出版社/メーカー: ビー・エヌ・エヌ新社
  • 発売日: 2009/02/08
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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カタログはアマゾンでも買えますよ。そして展示会場で流されていた、これまた本屋で買えたりする、DVDの中で、ミーディンガーの述べていた「文字のデザインは95パーセントがほぼ同じで、あとの5パーセントで特徴付けなければならない。そうしないと統一感が出ないのだ」というような旨の発言は、文字というツールのデザインがいかに緻密で微妙なものであるかを象徴的に示しているように思います。いまとなってはありふれてしまったものが革新的であった時代の、そしてそれにひきつけられた人々の、証言を垣間見るような面白い展覧会でした。
ちなみにマイベストポスターはこちら。

2、
プンクトゥムで行われている倉田精二氏の展覧会は、小さい会場ながら少なくない展示数で、見入る。今回氏が提示する「造景」は、いわゆる土木系のたとえば高速道路のうねるような様や工事現場の様子なんかをモノクロ写真で即物的に(ロマンチックにではなく)写し取っています。はじめのうちはそのダイナミックな構図や、被写体自体の力強さみたいなものにほれーっとしてしまっておりましたが、いやまてよ、とよくよく見返してみると、そもそもこれほどの造形物がここにあること、あるいはここにあらんとすること(工事中のこと)の言いようのないグロテスクさのようなものが感じられてくるのでした。
3、
そのまま。銀座はソニービル(タワー?)対面のロッテリアにはコンセントありました。注意。
4、
表参道に黒くたたずむカフェmontoakは、前回訪れたとき何故か入れないようになっており、すわ閉店かと心配しておりましたが、なんのことはない展示準備中だったのでした。今回は無事入店。ちょくちょくギャラリー的役割を引き受けているそうです。
淡く色づけられたコンクリ壁面、型枠を操作して造型付けられたコンクリートの壁面、木の床、革でくるまれた手すり、鉄製の手すり下造作、細かいタイルで覆われた階段、大理石の壁面、黒ガラスというふんだんな素材感が特徴的。ただそれがほの暗い店内の照度とあいまって、割りとうまく均衡がとられているように感じます。ひとことでいうとうるさくない。それどころか、ぬめーっとした暗さの中で照らされるそれぞれのテクスチャーがちょっとインビで、居心地のよさを提供してくれるのでした。