トウキョウ

昨日のはなし

朝は渋谷パルコ地下ロゴスギャラリーで「フランスの古い紙広告展」を見る。昨日までの展覧会。偶然そこでモデルのオオタリナを見る。この人ははじめて僕が「花椿」(資生堂)を買ったときに表紙を飾っていたモデルさんで、その偶然が背中を押したわけではないけど、青山ブックセンター本店で開かれていたアートディレクター仲條氏の「花椿」展を見に行く。これも昨日まで。いまだ切り貼りして構成しているらしい手仕事の一端をちょっとだけ垣間見るような展示。

花椿ト仲條―HANATSUBAKI and NAKAJO Hanatsubaki 1968‐2008

花椿ト仲條―HANATSUBAKI and NAKAJO Hanatsubaki 1968‐2008

ちなみにここの「展覧会」は一枚の壁を使っただけのささやかなものだけど、一緒にやっていたエミール・ルーダーの展示と同様結構食指を動かされるチョイスだと思った。ルーダーのデザインはキリッとしててカッコよかった。文字と幾何学、それも要素は極シンプルなのにその操作の仕方でグッと読み込ませる感じがすごい。
Typographie: A Manual of Design

Typographie: A Manual of Design

「ルーダーが1967年に著したデザインの教科書『タイポグラフィ』は現代の古典書として、いまなお多くの読者に読み継がれている。」とのこと。あと本展覧会には関係ない一冊がこちら。
Data Flow: Visualising Information in Graphic Design

Data Flow: Visualising Information in Graphic Design

最近気になる一冊。データのヴィジュアライズに焦点を絞った、こういうのが欲しかった、な一冊。アウトプットとして出されたグラフのかたちをきっかけにして章が構成されています(たぶん)。
で、午後15時からは電通ホールでD&AD賞のシンポジウムみたいなものに参加。デザイナーにとって大事なこと、アイデアをいかに形にするのかという話だった。つっこみの少ないシンポジウムでちょっと物足りなかった。
そして今日5日

  • bunkamura:20世紀のはじまり ピカソとクレーの生きた時代
  • 東京国立近代美:コラージュ―切断と再構築による創造
  • 国立新美:アーティストファイル2009
  • スーパーデラックス行ってきました

ある程度時間をとりながら展覧会を見ようと思うと、1日3から4が限界かもしれない。目が、眼球が、痛い。実際には筋肉の問題だろうが、とにかく情報量の濃いサムシングアートをたらふく見続けた(聞き続けた)代償が身体に来たということだ。これから逐一振り返っていると恨み節のようになりそうなので次の一点だけ。
多分この眼精疲労の(いい意味での)一番の原因は、国立新美でやっていた「アーティストファイル2009」で見た斎藤芽生氏の作品だと思う。選択された9人のアーティストの1人とは思えないくらいの作品数で、正直個展でいいのではないか、と思う。そしてそれぞれにテイストの違う作品がドンッと積まれているような感じがしたので、3つくらいに分ければいいのに、と素人ながら思う。個別のシリーズに絞っていうと、都市の要素を花輪にしたやつはとにかく「なんで」としか思えず、その疑問をグイと押し付けるような変な説得力が出ていたし、集合住宅の共用階段の踊場が酒場になってるやつは状況の相同性が理性に打ち勝つきっかけになった(「ありそうかも」と思ってしまった。ないよね)。あとまだ半分くらい作品があったけど、それらにはいまいち入り込めず。言葉がらみの作品も多かったのだけど、これであまりに饒舌にやられるとちょっと引いちゃう感がある。個人的雑感。
ちなみにスーパーデラックスは(多分)ライブハウス。おおよそ横30メートル×縦10メートルくらい(あてずっぽ)のハコで、幅が広いのがやや気になるものの、3機のプロジェクターで映像環境はバッチリ。ここでぺちゃくちゃないとが行われているんだなーと思うとなぜか感慨もひとしおだ。