快活CLUB西院店

八月十二日、
四条西洞院にあるフレスコが入っていたビルに仮囲い。元京染会館。約70年前のもの。

来月あたりからお手伝いするかもしれないプロジェクトのための調べ物。西院くんだりへ。

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八月十三日、
西院の快活クラブに行く。阪急西院駅の対面、2007年にオープンしたアフレ西院の4階。とかく広い。そして料金システムが分かりやすい。30分230円、延長10分毎に90円、5時間パックで1000円、10時間パックが2000円。金土祝はこれにプラス100円。座席の種類もリクライニング、マッサージ、フルフラット、シングル、ビジネス、オープン、二人用にソファシート、ペアフラットがあり、料金に違いはない。ドリンクバーもソフトドリンクのみならず味噌汁やお吸い物が選べ、こころにくいサービスとしてはトイレに髭剃りや綿棒、歯ブラシが置いてあることも併記しておきたい。快活クラブの謳い文句「リラックス・コンビニ」はいまひとつどうコンビニなのかよくわからないところもあるが、なんとなくその名に恥じないサービスだという気持ちにはなったりするかもしれない。
先にとかく広い、と書いたのは、もちろん面積の上で広いという意味もあるが、各個室も今まで訪れたどのネットカフェより広くとってある。とりわけマッサージチェアが置いてある個室の広さは1400×2400。布団を敷いてなお余りある広さだ。狭い空間に押し込まれるような、あるいはその空間に自ら積極的に押し込まれることにこそネットカフェの醍醐味があると思っている人には物足りないだろうなと推測する。なお、他の個室は全て統一されたスケールで構成されており、1150×2000。奥行きは1800でも深いなと思うくらいなのにここではさらに20センチも深い。それから間仕切りの高さが1500。テーブルの奥行きが500で、ありがたいことにプラス450ほど手前に引ける天板がその下に収納されている。二人用の個室だと2000×2000。キングサイズのベッド分。ここでは空間を持て余すことこそがリラックスの名の下に肯定されている。闇金!ウシジマくんを読む。なお近くには漫遊堂西院店もある。

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八月十四日、
奈良。街中にろうそくの灯をともしていく燈花会(とうかえ)という催しを見に来たのだった。もちいどの商店街を一本外れたところにあるヒヤシンス・カフェで漢方のようなお茶を飲む。ここは町屋を改修した喫茶店で、座席は全て2階。キッチンは1階。客用階段とは別に備え付けられた階段がいい役割をになわされている。照明らしい照明が少ないので、昼間に行っても空間の端々にスッと暗みが残っている。もっと言うと、暗みの残りのようなものが残っている。床面は板敷きでまだ新しく、置かれた古い椅子やテーブルとの相性がもうひとつ。クツを脱いであがるようになっているので、この床がほどよい味わいをかもしだすのにはもう少し時間がかかりそうだ。うろうろしていると所々に配置された小物がにくいほどあいらしく、本棚があったので二ノ宮知子の平成よっぱらい研究所を選択する。筋金入りの泥酔っぷりに背筋が伸びる思いであり、酩酊が常態化されるともはやそれは飲酒という行為を超越したなにかとしか思えなくなってくる。すごく笑えるけど同時にふつふつとこみ上げる怖さがある。それはもちろん「俺がああならない保障はない」ということではない。酔ったときになくしたものリスト。ベルト。これと一緒に女として大事なものを失っていないだろうか、心配。

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八月十四日、
死ぬほどいい。くどいけど死ぬほど重要。死んでも買うこと。生きていくうえでかかせない10枚。なんと!今だけ千円!死ぬほどいいから信じて買って。ヒヤシンス・カフェの近くにあるレコード屋さんには、死と生が全面に押し出されたPOPがそこら中に貼ってある。それと、怒るほどの安さ。というのもあった。主語が謎。Nick DrakeのBryter LayterとTodd RundgrenのA wizard, a true star(特殊紙ジャケ)を購入。確かに死ぬほどよかった。マスターのキャラクターに軍配をあげたい。