漫遊堂西院店

九月十八日、
Hさんが、引越しされるということで、ちょっとお手伝いに。新居では、電話線の開通と、クーラーの設置が進む。電話線は、家の外に出したケーブルを、電柱間を走るケーブルに、接続する必要があるらしく、業者の人が梯子を持ち出した。どこに持たせかけるのか見ていると、こともあろうに、そのケーブルに、梯子を立てかけた。命綱も同じケーブル。そのケーブルが切れるという不安はないようだ。

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九月十八日、
ネットカフェ。漫遊堂西院店。四条通りを、阪急西院のあたりまで、叡山電鉄の線路がとなり。近くには快活CLUB西院駅前店があり、テナントが入っているビルを見ると、明らかにそちらの方が、大きいのではあるが、2〜4階を使った漫遊堂西院店の方が、容積的には、かっているようにも見える。2階がオープン席、3、4階が個室フロア。全個室52。内訳:一人用個室45、二人用個室4、三人用個室1、四人用個室1、五人用個室1。三人用個室以上はまさに個室で、五人用個室は、現在使われていない。一人用個室の大きさは、幅1050×奥行き2050。ハイスペック席二つは、幅1300×奥行き2400。二人用個室は、1800×1800。料金は189円/30分。プチフリータイムワンドリンク付で、5時間1000円、フリータイムが1874円。
ここの間仕切りは高い。通常1500平均のところ、ここは約1800ほどある。この30センチは大きい。空間の見通しはグッと狭まり、圧迫感のようなものが、感じられる。常に明るい3階はまだよいが、照明が落とされている4階は感覚的により狭い。個室に入ると、空調の音。他の個室からの、音はあまりない。それから定期的に、踏み切りの音。チンチンチン、と使い古された鈴のような音。誰かがどこかに運ばれていく。深夜零時を過ぎたあたりで、おそらく本日最後の鈴。電車とネットカフェ、移動と滞在。何かしら遠からぬ縁のようなものを感じるが、鈴が鳴り終われば、もう電車のことは考えない。個室にはパソコンとテレビがあり、足元にはオットマンもあり、なにしろマンガを読んでいるからだ。愛と誠を読みきる。最終巻の悪い意味での疾走感。

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九月十九日、
ここ最近は、QC講師候補の論文を、読み続けている。平行して、GRLKYOTOのためのブックリスト用読書。白田、インターネットの法と慣習、を読む。ある環境独自の文化と固有の価値とを、明確化したものが、法。インターネットの文化と価値とを、法にするためには、一定の人々が、「名」を所有し、それを賭けなければならない、とある。なぜか。日本だからだ。アメリカなら、また話は変わっているだろう。なぜか。そこには法律主義と判例主義とによる、法の「重み」に違いがあるからだ。法の根っこの部分を、グイと抜き出し、その根本を参照にしながら、これからのインターネットにおける、法のあり方がどのようにあるべきかを、考えていく。

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夜。Dotsの公演KISS。北山駅の近く、陶板名画の森。水盤を舞台にした劇。その上を演者が行く、水面の同心円が綺麗。

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九月二十日、
昼デザインイースト。大阪人なしの大阪話は、出版業界の現実話。後のミーティングでは、多様な話題が、高速で駆け抜けていく。そのなかでも柳原さん。デザインそのものだけでは価値がなく、状況をつくらなければならない、と、きちり。それに答えて服部さん。じゃあ状況をつくれない人は、存在したらいかんのん、と。この話はもう少し聞きたかった。

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夜。百万遍おむらやにて、GRLKYOTO懇親会。横浜から高松くん。ウディチコ話で盛り上がる。その後hanareで二次会。しゃべりすぎた。

九月二十一日、
読み物引き続き。ゴードン『マクルーハン』を読む。フォービギナーズシリーズが、ちくまの文庫になったもの。イラストなどを多く用いて、その名の通り、初心者向けになっているはずなのだけど、それがどういうわけか、読みづらい。内容は、きっといいと思うのだけど、これなら訳者の宮澤さんが書いている、メディア論が見える、みたいなタイトルの、ちょっとうろ覚えであれなのだが、一冊の方がすっきりしていていてよいと思う。

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それから、立岩、税を直す、も読んだ。おおくあるところから、すくなくあるところへ。帯の文章が、すっきり説明している、まさにその通りのことが書いてある。税の累進率を上げよ、それしか書いていない。税は再分配のためのもの。でもなぜそれがなされていないのか、で一章。その理由のひとつとして挙げられる、労働へのインセンティヴがなくなる問題に、一章。もうひとつの理由、優秀な人材が外にでていっちゃう問題に、もう一章。立岩さんの言い回しは、グロテスクなまでにあけすけで、そのあけすけな言い回しでもって、経済的現象を切り取っていくと、なぜかそこにユーモアが生まれてくる。芸術的だと思った。

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夜。GRLのジェームスとエヴァンに、スカイプインタビュー。こちらのみんなは、ちょっとおつかれのようす。