ウェブで読めるヴォリュームのテキストとその日本語化

ウェブ上で読めるVolumeのテキストと、RAD で行っているREADTANKで試みているその日本語化をまとめたエントリをウェブサイトに挙げた。Volumeのウェブサイトがちょっとリニューアルしていたらしく、それに伴って落ちていたリンク先だとかを補ったり、訳しっぱなしになっていたままの下訳をサルベージしたりした。
多くもないが少なくもない数の序文を訳してきて思うのは、Volumeという雑誌はある一定の規模を前提としているということだ。読者の数が大量、というのはこのメディアだからそりゃそうだというところだが、そうではなく、あるトピックはそのほとんどがある広がりの中でとらえられなければならないものになっているような気がする。例えば「建築家」とVolumeが言うとき、そこで問題になっているのは個別的な建築家の動きではなく、「ある状況に直面する(集合としての)建築家」がどのようにあるのか、そしてどのようにありうるか、ということだ。そしてここでの「規模」とは彼らがつくる建物のそれではなく、いわば状況の規模とでも言うべきものがいくつかのレベルで存在しているように思う。コンテンツマネジメント、扇動、権力、中国、ストーリーテリング、テーマの幅は広く、毎号めまぐるしく変化して行くが、このメディアがあくまで建築雑誌であると宣言する、そのバランス感覚がポイントだ。

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追記
ヴォリュームとはなにかね、という方はこちらをどうぞ

このエントリを見てなるほど、となるかは保証できませんのであしからず。