リサーチ

Research for Research

shimpei.wsさんに手伝ってもらいました http://r-f-r.net/ 世の中にはたくさんの建築組織がありますが、建てることだけを目指した組織ばかりではありません。アカデミックな組織、インディペンデントな組織、NPO、はたまた組織じゃなくてもひとりでコツコツ…

QueryCruise3

「地域」とはどういうものとして見えてくるのか、そしてそこにどんな主体がどのような関わり方をしているのか、ということについてお話を聞く「QueryCruise3 タウンとアーキテクト」に、新しいインタビューが加わりました。 ※第一回目と第二回目の紹介はこち…

QueryCruise3

大屋雄裕さん、南後由和さん、五十嵐太郎さんをお呼びした第一回目、大庭哲治さん、佐野亘さん、加藤政洋さんをお呼びした第二回目から、少し形式を変えて、QueryCruiseの第三回目ではインタビューをしています。 今のところ公開中なのは、 vol.1:片木孝治…

トレランス寛容

横浜駅近くには屋台がある。 が、画像が、あ、あらい...

「社会的」な「問題」

2月27日(日)のopenlab.13では、近藤加奈さんに最近行ったアメリカ旅行のレポートを話してもらった。彼女自身が「こういうのやりたいんですけど」と手を上げてくれたので、「じゃあお願いします」とお願いした。レポートの内容は、彼女が旅行中に訪れた「社…

Publishing Practices by Michael Kubo その3

2から続く 最後の部。分野に存在する者にとっての欲望の的となるカノン性と、その分野との関係性を考えるにあたり、一度建築をdiciplineではなくfieldとして考えてみたらどうだろう、という提案が来る。ここでいう「field」というのは、建築にまつわる言説、…

Publishing Practices by Michael Kubo その2

1から続く 今回、この2分の3部で件の「三区分」がすべて紹介される。 マニフェスト:議論を呼びそうな理論的ステイトメントの組み立てによってアジェンダを生み出す モノグラフ:作品の集合を、実践の中で練り上げられるアジェンダひと組みへと組み立てるこ…

Publishing Practices by Michael Kubo その1

参照 本文 インタビュー その他 展覧会の画像 - この文章は、マイケル・クーボ氏が企画したリサーチ(&展覧会?)「出版の実践」の紹介文である。20世紀に行われた建築について考えるとき、建築家による書籍出版プロジェクトは欠かせない。そこで「影響が大…

unsolicited architecture=research

プロジェクトとリサーチの関係、というこの前の話をしながら思ったこと。 もし最近の数十年における職業的な選択が、受動的なファシリテーターになるか、あるいはしばしば変わったことをするための特別な許可を持っている宮廷道化師になるかというものに貶め…

リサーチとプロジェクト

たいてい、建築のリサーチというのは、プロジェクトがあって、それから始まる。それはつまり、「これこれ」という依頼があって、そのあとにリサーチがあるということである。「建築リサーチの恣意性」はこの「依頼が先にあること」から来る。なぜなら、建築…

語りつないでいくためのリサーチ

以前も紹介した、90年代バブル期の計画である。近年とみに「建築家があまり大きいこと言わなくなった」とよくぼやかれるが、「大きいこと」自体は常に語られていた。90年代、大手ゼネコンはこぞって1000メートル規模のビルを計画していた。最近では宇宙建築…

建築のリサーチとは何か

とうとつにややこしい話をします。 「建築のリサーチとはなんだろうか」と、いうことを考えてみる。まず「リサーチ」というのは調査のことなので、「情報を集めること」である。とWikipediaから引用してみたが、それにしてもその答え方はあまりにも多すぎる…

都市計画マスタープランのこと

西山文庫に行って都市計画マスタープランに関する博士論文をいくつか当たって来た。ちなみにマスタープランというのはこういうものであり、市町村が決めるものとされている。 都市計画マスタープランとは、1992年(平成4年)の都市計画法改正により規定され…

1960年代を再訪する3

「1960年代を再訪する/Revisiting the 1960s」―Lara Schrijver『Radical Games』序文の続き。3分の3。2はこちら。 ある意味、1960年代は独特のポジションを占めている。モダニズムのラディカルな批評が提示され、大西洋の向こう側にある緒世界では民主化を…

1960年代を再訪する2

1960年代を再訪する/Revisiting the 1960s―Lara Schrijver『Radical Games』序文の続き。3分の2。1はこちら。 ときに、建築的介入の負っていた責任が過剰だったのかというと、そういうわけでもなさそうだ。論争を呼んだ「建築か、さまなくば革命か」という…

1960年代を再訪する1

Radical Games: Popping the Bubble of 1960's Architecture作者: Lara Schrijver出版社/メーカー: Nai Uitgevers Pub発売日: 2010/06/30メディア: ペーパーバック クリック: 1回この商品を含むブログを見るタイトルは『ラディカル・ゲームズ―1960年代建築の…

グレイ・グー

volume9号「Suburbia after the crash」特集より。「郊外」のおこりについて。ちなみにこの「グレイ・グーGrey Goo」には「くらい未来」くらいの意味もあるらしくて、「ナノテクノロジーの進歩により人間の管理を超え自己増殖を図るナノロボットがねずみ算式…

問題を解決することと、要求を実現すること

ちょっと詳しくは分からないのだけど、どうなんだろう? と思っていることを書きます。それは、地域再生(とか地域振興、地域活性化、まちづくりなどなど)の取り組みは「地域にはこういう問題があって、それを解決しよう」という論理で行われるのか? ある…

タウンとアーキテクト01

地域再生の罠 なぜ市民と地方は豊かになれないのか? (ちくま新書)作者: 久繁哲之介出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2010/07/07メディア: 新書購入: 23人 クリック: 403回この商品を含むブログ (54件) を見る うまくいかない「地域再生」の話 ハコモノをほ…

Seeing Like a Society Interview with James C. Scott後半

前半はこちら ジェームス・C・スコットインタビュー後半。社会設計という大きなレベルの前半部に対し、後半部からは都市や生活といったより身近な話へ。プロ・ジェイコブスの分かりやすい「界隈」擁護だけ読んで溜飲を下げるのではなく、その後の「スコット…

Seeing Like a Society Interview with James C. Scott前半

「Engineering Society」特集のVolume16号(この号の序文「Planning Paradise(楽園を計画する)」の日本語化はこちら)に掲載されているジェームズ・C・スコットへのインタビュー。JCS(James C. Scott)は1936年12月2日生まれのアメリカの政治学者、人類学…

nelobo the heterotopographer

明日12月1日からはじまるnelobo|Heterotopiasについて書きます。 「地域に介入しその場所固有の素材や技術を使いながら建築していく建築家」であると彼らのことをあらかじめまとめており、それそこが彼らの特徴だと想定していたのだけど、もう少し違う、彼…

石上純也―建築の新しい大きさのこと

豊田市美術館でやっている石上さんの展覧会をふらりと見てきて思ったこと書きます。それとは別に、会期が長かったのか結構痛みも激しそうだなとか、それどころか豊田市美自体の疲労もちらほら見えるなとか、そういうことも思った。ちなみに初めてここにきた…

地域と芸術支援

山形浩生さんのウェブログから。中国は国営工場周辺にアートギャラリーを集めた789芸術地区についての記事。 日本で芸術支援というと、こぎれいな美術館でも作るだけで運営にはろくに予算もつけず、しょぼい企画がさらにどんどんジリ貧になって、5 年たつと…

オリビエ・ブーシュロンのこと

12月1日から一週間程radlabで紹介する仏人建築家オリビエ・ブーシュロン(Olivier Boucheron)が2008年にAJAPを受賞したときのテキスト。著者はラファエル・マグロウ(Rafael Magrou)という建築家、建築批評家。 本文はこちらです。 - neloboがどのように面…

タウンアーキテクト2

唐突にまたはじめますね。この前、「市民を代表して決めるひとをあらかじめ決めておいて、そのひとに決めさせる」決定のモデルどうなんだ、ということを言ってみた。で、今日はそれに関して面白い「そうじゃない」モデルスタディがあった、という(聞いた)…

湯浅良介「nothing and something」アフターノート

rep第5弾湯浅良介展のアフターノートをRADウェブにあげていた。 rep|「YUASA RYOSUKE / nothing and something」afternote architecturephoto.netさんが特集してくださったときに彼の推しポイントを「想像力」のあり方だと書いてみたのだが、ソノママだとた…

Hyslomのこと

雑記。 6日の土曜日はLABORATORY aka radlabにて映像上映中だったHyslomによるパフォーマンスがあった。ヘルメットを被ったメンバーのヒトリが頭をガラス箱につっこみ、LABORATORYのベランダからロープ伝いでモノをそのガラス箱にぶつけていく、という映像を…

いわゆる正論にはあんまり神は棲みつこうとはしない

住宅道楽―自分の家は自分で建てる (講談社選書メチエ)作者: 石山修武出版社/メーカー: 講談社発売日: 1997/05メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (1件) を見る 石山修武『住宅道楽』つづき。 人間の幸せは一個の家族に自閉するものではなく…

タウンアーキテクト1.5

住宅道楽―自分の家は自分で建てる (講談社選書メチエ)作者: 石山修武出版社/メーカー: 講談社発売日: 1997/05メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (1件) を見る 石山さんは本を書くことでずっと同じことを問うている。 依頼者でもなく、から…