トラフ展ギャラリートーク

トラフ展のオープニングにあわせて鈴野さんと担当の飯塚さんが来てくださった。ご一緒されたかみの工作所さんのお話は前回した。で、MEDIASHOPさんにお願いして場所を貸してもらい、ギャラリートークをしたので、今回はその話。


たくさんの方々が来てくださいました。どうもありがとうございます。
内容を一言でいうと、「inside out/outside in」という展示のタイトルをキーワードにしながら「空気の器」&今回の「リノベーション」(これをradlabで展示してます)の意図と、ひいてはトラフ自身がこれまでになした仕事を紹介するというもの。


個人的に鈴野さんのお話で面白いなと思った点は、お金の話が唐突にポロッと入ったりするというところだった。それをいくらでしたのか、というよりも、いくらくらいでしなければならなかったのかということ。一貫してはいなかったようなのでおそらく意識的ではなかったと思う。たとえば、いまや構想を語る上で「ネガティヴな規制をポジティヴな創造性へ変換する」という姿勢も多く見られるようになったが、「それがいくらでできるのか」という規制のボスみたいなお金の話でまとめあげるような話し方はもう少しあってもいい(しらないだけですでに多くあるのかも)。金額故に狭められる選択肢があるし、むしろ狭められた選択肢からひとつを選ばざるを得ない状況もお金が契機になったりする。もちろん不幸自慢になると退屈だし、その金額にどんな意味があるのかを実感できない聞き手を前にするかもしれない難しさはあるにせよ、とても大事な話だと思う。あるアイデアが条件の中でどう変化していくか、あるいはあるアイデアの強度がある規制をどう突き抜けて行くのか、に関するエピソードにはスリリングな魅力がある。「お金が」っていうのもその一例。


そういえば、数人の人が鈴野さんのお話中につぶやいてくださっていたので、togetterにまとめが挙っています。詳しい内容はそちらをご参照ください。というかすごい、リアルタイムで人の話をこまめにまとめていくっていうのは編集の瞬発力が求められるのだな。鈴野さんの話という基準のなかに、まとめの「いい/わるい」(あえてそういいきる)という基準も入ってきて面白い。やる方にも読む方にもとてもいい訓練かもしれない。