地域と芸術支援

山形浩生さんのウェブログから。中国は国営工場周辺にアートギャラリーを集めた789芸術地区についての記事。

日本で芸術支援というと、こぎれいな美術館でも作るだけで運営にはろくに予算もつけず、しょぼい企画がさらにどんどんジリ貧になって、5 年たつと赤字垂れ流しとかいって議会で責められるのが定跡だが、こちらは施設整備にはほとんどまったくお金をかけず、昔の国営工場の土地建物をそのまま使わせて、ある程度放任することで(むろん手放しではないんだろうが)活気を作っているらしきやり方には感心。


芸術に限ったことではないと思うけど、「◯◯のことはワタシ分からんので、ここまではするけどここからはアナタが自由にやって!」っていう線引きを決めて、ワタシは「アナタが自由にやってもらうための」枠組みを保守する、という動きにお金が回ってこればなと思った。こういうことをほんとうにちゃんとやってる人っているんだろうか? トップから末端に至るまでみんな「△△」を信じている、という集団はすごいと思うけど、あんまりヘルシーじゃないんじゃないかと思うようになってきた。長続きしなさそう。じゃあみんな「ほどほど」だったらヘルシーかというと、そうかもしれないけど「そんな集団に何かを変えられるか?」という問題がある。「ワタシはこうだと思うけど、でもアナタの意見はサポートします」ってちゃんと言える人と、言ってもらえる人が健やかに回っている集団ってあるんだろうか? 


※追記(20101221):この点に関する参照となりそうな演劇からの試み