ジェフリー・イナバ「Volume序文」その1

レム・コールハース率いるOMAのシンクタンクであるAMOと、C-Lab.(コロンビア大学)とによるインディペンデントな季刊誌「Volume」17号のジェフリー・イナバ(コロ大より)による「Introduction」を訳してみたので挙げます。長いので3回にわたって挙げます。なおこの雑誌の詳細に関してはまた別日にエントリ挙げます。

序文
ジェフリー・イナバ

私たちは大きな量というものに驚かなくなった。十億単位での利益、一千万単位での都市人口や訪問客、売り上げ、千単位でのパーソナライズされた「おすすめ」や検索結果、百単位での科学的発見に私たちは慣れてしまっているのだ。しかしその豊富なお金、情報、そして可能性を普通だと感じるやいなや、私たちは希少性欠乏の世界に直面しはじめる。おそらく私たちは重度の不足に対して取り組むだけの、際限なき利用可能性の時代が到来したことを目撃した者として歴史に名をとどめるだろう。あらゆる種の資源は次第に減少していくと言われている。資産の、株の、投資の急速な目減り。再生不可能な燃料の低下する入手可能性。そして世界の食料供給網の遅々とした産出量も現実に追いついていない。事態はまるでポーカーのようだ。(取引する主体にとっては)より都合のよいハウスルールのもとで行われ、しかしそのカードは着実に減りつつある。

拡大と過剰のこの時代の終わりにあって、C-Lab.はこの時期の象徴的な発明のひとつについて考える。コンテンツ・マネジメントについて。つまりデジタル情報の収集、体系付け、そして分配のことだ。情報管理における最近の発展に対する私たちの回顧的な評価は、デジタルには豊富、でも物質的には欠乏している現在のリアリティに仕えうる、膨大な、あるいは極端に制限された量のどちらをも保護しうる、コンテンツ・マネジメントの可能性に識見を与えるのである。

ここ読みづらい、とか、ここの原文ってなに、などなど、ご意見ありましたらコメントください。