自遊空間と写真地獄

一月十五日、
今日のネットカフェは新京極にある自遊空間。友人を誘い、念願だったファミリールームとやらに入る。畳が敷かれ、広く、こたつがあり、テレビはあり、ゲームもできる(黒ひげ危機一髪やオセロなど)。ネットカフェの「個室」は複数人を抱え入れるまでに膨張して、いわゆる個室の広さを獲得し、「ファミリー」の名を獲得したのだった。壁面の作り方が自遊空間の他の個室とは異なっており(吊り下げ型ではない)そこが残念と言えば残念。多くのファミリールームではこたつで雑魚寝する人たち多し。公共性の残滓としての「カフェ」なる名と、「個室」の膨張形としての「ファミリー」ルーム、そしてそこにある一つのこたつを週寝具として共有する複数人の他者。

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トイレまでの道のりはモニタによって照らされる。オンラインゲームのデモ画面は私たちを見送る。

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一月十六日、
田中美穂植物店へ。muzzの近く。元コロッケ屋さんを改修した店舗で、店主の田中さん自らも改装作業に加わっている。元コロッケ屋というイメージがどんな形を想像させるのかはわからないが、店舗面積が小さく、外界に開かれた開口を持っているところがポイントか。面積の小ささから架構された範囲がとても狭く、その狭い部分に植物が詰め込まれるようにして置かれているので、その建築自体がどこか抱えきれない枝葉のせいで身動きがとれなくなっている生物のようにも見える。外側から見えるその姿のみならず、内側から日が差し込むところを見るのもよい。

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となりは電気屋です。

動く田中美穂さん。

オオヤ珈琲の豆もうってるらしい。ジョージア差し入れたのが恥ずかしくなるわ。

ちっちゃくてかわいいのはクーネルっぽいひとによう売れそうや、と話す。

このポコっとしたとこの裏が美穂さんのデスク。このスペースはからしてほしい。ちょっとつけ書院ぽい。

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暴走実験室では増本さんと友人であるアーティストの松淵さんとでパフォーマンス。松淵さんはある空間を構成する角部から角部へとテープを貼っていく。例えばギャラリーのような、ある種まなざしの交換によって個人の居場所ができてくるという性格を持つ空間のなかで、その無言のまなざしの交換中に物理的にテープでもってしきりをつくっていってしまうのだった。ひとしきり仕分けられた中で増本さんは演説。松淵さんは自らがつくりだした空間のしきりをごりごりとつぶしていく。

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アフターオール

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一月十七日、
QC2大庭先生インタビュー後半をウェブアップ。
http://radlab.info/2010/01/qc2-3.html