2010-01-01から1年間の記事一覧

WHY CAN'T WE BE FRIENDS?

「rep.05|YUASA RYOSUKE / nothing and something」はじまりました。10月11日までの会期で、昨日はrep.05のギャラリートーク。ギャラリートークしましたよ、という記事をRADのウェブに挙げた。そしてそのときちょっと思ったことを以下少し。 rep|ギャラリ…

ゴミ問題

ゴミ問題を考え始めるために。 森川嘉一朗「ルポルタージュ:取り壊された建築はどこへどのように廃棄されているのか」 平成7年度の警察白書によれば、不法処分された産業廃棄物の8割は建設廃材であり、検挙に至った「氷山の一角」だけで100万トンを超えて…

リーウーファン

直島で見た「LEE UFAN MUSEUM(李禹煥美術館)」のエントランス。 偉大なコンクリート丘に包丁らしきものが入刀されているようだ。その上を歩くのはいつも人間。入り口だし。

そのつぶやきに耳を貸せ

中二階 (白水Uブックス―海外小説の誘惑)作者: ニコルソンベイカー,Nicholson Baker,岸本佐知子出版社/メーカー: 白水社発売日: 1997/10/01メディア: 新書購入: 6人 クリック: 61回この商品を含むブログ (56件) を見る 人間いつも何かを考えている。働いてい…

島に行ってきた。 女木島の上のほうから。たしか女木島。 男木島。openlab.12「オクパ」にも参加してくださった中西さんの仕事。レポートをRADウェブサイトに挙げた。長いものを。 たたずむ二人。 石垣と石垣の隙間にサクッと木が差し込まれている。どこに差…

ストーリーテリング

こういう座談会を文字起こしした文章があって、それをふんふんと読み進め、最後のくだりでびっくりする。最後のくだりがこうだ。 都市・計画・評価の総合 : 環境工学と都市計画の接点を求めて (主集 環境科学としてみた都市のあり方) 途中ですが、ここで打ち…

Volume#20 Fact and Fiction後半の後半

建築にとって、なぜストーリーが重要なんだろうか、そしてなんでこの雑誌にローゼンさんのインタビューが載ったんだろうか、ということを少し。まずジェフリー・イナバ氏の序文(参照)から「ストーリー」って何かについて。 建築案の礎を築くがために、建築…

Volume#20 Fact and Fiction後半の前半

思いのほか長かった。 モンゴメリさんからの質問。プロ/アマジャーナリズムを比べてみんなどんなこと言ってるんだろう? 市民ジャーナリズムとの比較によってプロのジャーナリズムを語る支配的な議論とはどのようなものですか? そしてあなたの見解は? ロ…

Volume#20 Fact and Fiction前半

volume20号「ストーリーテリング特集」から報道批評家ジェイ・ローゼンインタビュー「事実と虚構」の訳。聞き手はジェフリー・イナバとタレン・モンゴメリ。8月27日にRADでREADTANKをするので、その準備です。ひとつのエントリには長過ぎるので、前半と後半…

団地を考えるとき考えること

ここでは、前回の田園都市の話からそれを元にした日本のニュータウンの話へと飛びます。ニュータウンと団地ってどう違うんだろうか、というちょっとした疑問から、ニュータウン(越しの田園都市)批判を少し紹介し、それに対する応答と、にも関わらず残らざ…

土地の神話

田園調布はE・ハワード「田園都市」(参照:「プロジェクト杉田玄白」より『明日の田園都市』山形浩生訳)を元にしている。ということを知ったときに、なぜ他の都市で「田園都市構想」は実現しているのかどうか、もし実現していないならなぜか、しているなら…

類推と建築

rep04 TAKASHI SUZUKI / BAUを事後的に振り返ってどう思ったかという文章をRADのウェブサイトに挙げた。 rep|「TAKASHI SUZUKI / BAU」afternote この作品では、建物に見えるスポンジが写っているということがポイントではなく、それがモノとなっていること…

解体工学とまちづくり

ここのところ技術の話をいくつか引用してきたので、今回はそれからちょっと展開して解体工学とまちづくりの話へ。唐突だけど、まず黒川紀章の「解体工学の思想―建築におけるエコ・システム」という論文(pdfで読める)から引用。なおこの文章は、建築物の解…

山本学治と造形

ここ二回ほど山本学治さんの論を少し参照にしてきたけれど、氏がどのような人であるのかヒントもないまましれっと引用してしまったので、ここで少し紹介します。 創造するこころ―山本学治建築論集〈3〉 (SD選書)作者: 山本学治,茂木計一郎,稲葉武司,中村精二…

木とコンクリートのはなし2

この前少し書いた大阪城RC造化の古川氏と薬師寺改修の西岡氏との素材に対する異なった見方とは何かということ。それは、当たり前のことだけど、素材の可能性を引き出そうとしているかどうか、ということだ。 造型と構造と―山本学治建築論集〈2〉 (SD選書)作…

木とコンクリートのはなし1

長くなりそうなので(引用が長い)分けて書きます。まず最近気になったこのニュース。今回の話は主に1】。 asahi.com:大阪城 「最先端」のコンクリート製 SankeiBiz:大阪城を歴史テーマパークに 大商が提言 ときに大阪城がRCで再建されたのは昭和6年(1931…

パチンコと公共事業

少なくない数の人がひとところにあつまり、長期的に、絶妙な手首の力加減で淡々と玉を穴に入れ続けるという作業が全国津々浦々で行われており、その出玉によって得られるお金の額が変わる。パチンコだ。そしてこのパチンコと公共事業は結構似ている。パチン…

公共事業

脅威の調査力と強力な論理構成で読む者をグイグイ反開発路線へと巻き込んでいく五十嵐敬喜・小川明雄タッグによる一冊。公共事業にはいかに無駄がおおく、それがどのような状況を引き起こし、にもかかわらずそれが止まらないのはなぜかをグルーヴィに論じき…

建築とアート

保坂健二朗さんがキュレーションを担当された「建築はどこにあるの?」展のカタログに収録されている南後由和さんによる「建築物とインスタレーションの離接運動」という興味深い論考を受けて。 カタログ情報はこちら http://www.momat.go.jp/Honkan/where_i…

READTANK Volume#14 unsolicited architectureレジメ2

前回の続き。今回はエージェン・オースターマン「A profession apart」を参考に、なぜ「求められない建築」つまり「迷惑建築」すなわち「unsolicited architecture」が提示されるのか。 - Q:unsolicited architectureはどのような背景で提示されたのか? - …

技術と人間の哲学のために

技術と人間の哲学のために (人間選書)作者: 中岡哲郎出版社/メーカー: 農山漁村文化協会発売日: 1987/05/01メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (3件) を見る技術史家(産業技術論者)中岡哲郎による所感集。引用は氏がメキシコを訪れたとき…

READTANK Volume#14 unsolicited architectureレジメ1

「建設から自由な建築」のためにオレ・ボウマンOle Bowmanらが立ち上げた「Office for Unsolicited Architecture(OUA)」によって提案され、Volume14号で集中的に紹介されている「unsolicited architecture」という概念がある。直訳すると「求められていな…

買い足してもらえばいいさ

渡辺豊和がRIA時代の師山口文象と朋友毛綱モン太(毅曠)のことを綴っている。エッセー調の昔語りと言ってしまえば簡単だけど、個々のエピソードを動かしている動力源となる問題意識を、僕たちはちゃんと引き受けているのかなと考えてしまうことも多い。ゴテ…

建築とコンサルタント

たとえばいまあなたはコンサルタントだとする 依頼を受けた企業はAという問題に悩んであなたを呼んだわけだが、あなたの仕事はAを解決することではない。その依頼者にアドバイスを与えて、Aを解決させることがあなたの仕事となる。そもそも依頼者がAの解決を…

普天間の跡地

最近聞いたことと思ったこと。沖縄の話。沖縄は他の都市とは違った成立の仕方を経て現在見えているものになっているらしい。端的に言えば、米軍が軍用の土地をとったあとで都市ができあがってきた、とのこと。基地が都市に割り込んできた、というわけではな…

辰野と曽禰、シュペーアと谷口

建築家のノンフィクションが面白かった話。東京駅の建築家 辰野金吾伝作者: 東秀紀出版社/メーカー: 講談社発売日: 2002/09メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 6回この商品を含むブログ (23件) を見るひとりは東京駅を設計した建築家、そして日本で「初め…

団地の話

団地という物理的環境と、それがつくりだすこととなった「みんな」をめぐる対話。 団地の時代 (新潮選書)作者: 原武史,重松清出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2010/05/01メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 86回この商品を含むブログ (16件) を見る ここで…

広告塔

こういうものもあった 広告車、看板を持つ人、ビラを配る人はしばしば京都でも見かけたが、自転車の荷台を広告にしたという例はこれが始めてだこの広告自転車の使用方法は、乗り回す、ではなく、駐車する、だと踏んでいる。そういう意味でこれがスタンダード…

MCPなんばトライアングル

より大きな地図で メディアカフェポパイinなんば を表示 追記:黒丸付きマーカーが店舗、そうでないマーカーが看板です ここでまがりなさい、あるいは通り抜けないでください、と呼びかける看板。店舗の近に、これだけ大きくとられる看板。容赦なき曲がり角…

「半六邸の利活用を考える会」との意見交換会

クローズな会議の議事録からポイントを抜き出した。一般公開なのだけど、取得には結構手間がかかるようだ。 半六邸についてはこちら - 前提 - 半六邸所有者から半田市は半六邸を取得したよ この対話は現状こうなってますよ、という報告会だよ この対話で何か…